共和病院が51年目という新たな半世紀を迎える今年度、新院長として就任することになりました。開院以来50年の歴史を通じて継承されてきました基本精神を受け継ぎつつ、来たるべき新たな時代での更なる飛躍を求めて日々邁進してゆく所存でありますので、よろしくお願い致します。

 

 

半世紀を越えての更なる飛躍

さて、当院は『優しい医療・楽しい職場』を理念として掲げています。その具現化のための考えをここに述べさせていただきます。 職業性ストレスを考えるモデルのひとつに、ジョブ・デマンド・コントロールモデル(Job demands control model)があります。仕事上要求されるもの(負荷、責任)と、仕事を遂行する上での裁量の余地(自由度、決定権)の2軸の関係からストレスの高さを考えるモデルです。与えられた仕事を効率よくこなしてゆくには、一定の裁量が認められることが必要となります。仕事への要求が高いわりにその自由度が限られている職場では、高ストレスのために職場機能が低下してしまうかもしれません。では、自由度は小さいが、仕事負荷も小さい環境ならどうでしょうか。ストレスも低くなるかもしれませんが、そこで働く人は働き甲斐に欠けた受動的な職場と物足りなさを感じるのではないでしょうか。ある程度の課題が責任として課される反面、裁量をもって取り組むことが認められた環境こそが、充実感と楽しさをもって働くことのできる活性化された職場といえるのではないかと考えます。
また、昨今、チーム医療の重要性が盛んに論じられますが、ここでいう"チーム"とはいかなるものでしょうか。それを構成する各員が自らの専門性を自負し、互いに連携を取りながらも自律的に活動することで、全体としての職務遂行を円滑に進める集合体として定義されるものがチームと考えています。特に精神科医療では多くの職種の関与が必要となりますが、混然一体となった団子状態の集団ではかえって見動きがとれなくなってしまうばかりかもしれません。個々の構成員が一定の権限をもつと同時に責任を担い、他と協力を要する部分と独自に遂行すべき部分を見極めることで、互いの専門性を尊重し生かし合うことのできる活力を持ったチームが形成されると考えます。 この二つの取り組みを念頭に据えることで、自ずと生き生きとした楽しい職場が生まれ、その結果として、必然的に優しい医療が生み出されてゆくものと考えます。

特定医療法人共和会 共和病院 院長 安藤 勝久