
ダイエットよもやま話
共和病院 診療部 部長 山田 恵一
4月から診療部長に就任した内科医師の山田です。共和病院では4月から新たに高橋・伊藤の2人の内科医師を迎えました。それぞれ消化器内科・内分泌内科が専門です。フレッシュな2人に関連し、かつトレンドに乗った話題がふさわしい。というわけで、今回は「ダイエット」の話です。
内分泌科の領域ですが、「マンジャロ」という薬をご存じでしょうか。SNSでも度々取り上げられています。週に1回自己注射を行うと、食欲が抑えられて、1年間で5~10kgも痩せると報告されています。保険診療では適応が糖尿病に限定されておりますが、減量を目的として自費診療でマンジャロを使用している方もおります。これがなかなか高額で、「何千円ですか?」「いいえ、何万円です。マンジャロってくらいですから。」当院でも処方を行なっておりますが、糖尿病の方に限定しております。
食事療法、薬物療法以外にも、手術で胃を切ってしまうなど大掛かりな治療法もあります。消化器内科の領域にも、胃の中に巨大なバルーンを膨らませた状態で置き、胃の容積を少なくするという治療があるんです。私が耳にした症例を紹介します。50歳代の男性、100キロを超える肥満です。過去にもいろいろなダイエットを試しますが全て失敗。胃内バルーン留置術を希望し、神妙な面持ちで病院を受診します。こちら保険外診療になりますので、費用も高額ですし、本人としてはこれが最後の挑戦と考えております。無事バルーンの留置が終わりますと、胃の容積が小さくなったので、本当に食べられない。でも決して満腹感は得られない。もともと食べることが生き甲斐みたいな方ですから、体重が減る一方で、どんどん気分も落ち込んで、元気がなくなっていく。ある夜、部屋の片隅で、両腕で膝を抱え込むようにうずくまり、「俺、このままダメになっちゃうのかな。」と、深いため息をついた瞬間、バーン!と、お腹の中で大きな破裂音が響いた。その瞬間から溢れ出す食欲。それを拒むことなく受け入れる身体。彼は元気を取り戻した。
この日の出来事を後に彼はこう語る。「太っててもいい。好きなだけ食べて生きていこう。もう迷わない。あの時、僕の中で何かが弾けた。」何かが弾けた。字面はカッコいいですが、風船が割れただけですよね。
誰しも健康への不安や関心はあると思います。お気軽に相談してください。地域の病院として親しみやすさを感じて頂けたら幸いです。
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