病院広報誌 WA! 第97号 2024.01.05 | 広報誌WA!

「すでに起こった未来」を探せ 特定医療法人共和会 理事長 山本 直彦

新年、明けましておめでとうございます。

2019年12月に中国で報告され、4年以上も猛威を振るった新型コロナウイルスも昨年5月にインフルエンザ感染症と同様の5類相当になって、初めての新年を迎えます。
昨年を振り返り、当法人にとって大きな出来事と言えば、4月から国立病院機構東尾張病院前院長の西岡和郎先生が新たに当院の院長に着任されたことです。
2017年から内科医である私が院長を兼任してまいりましたが、精神科医である西岡先生が院長として来ていただいたことは、共和病院の精神科診療のさらなる充実に繋がることと思っています。

そして、共和会でも少しずつコロナ前の日常を取り戻しつつあり、新館前の外来駐車場において、7月には5年ぶりに盆踊りを、10月には7年ぶりに「てんてん祭り」を開催いたしました。
新病棟の建設とコロナ禍で出来なかったイベントが可能になり、大いに盛り上がりました。

さて、2024年はどんな年になるでしょう。4月には6年に1度の診療報酬と介護報酬の同時改定がなされ、加えて医師の働き方改革がスタートし、医療を取り巻く環境は大きく変わることが予想されます。ところで、私が理事長に就任した頃、共和会では輪読会が行われており、課題の本はピーター・ドラッカーのマネージメントに関する本でした。

その後に読んだ別の著書『すでに起こった未来―変化を読む眼』(1992年)の中で、30年以上も前に、彼はすでに日本の未来社会における人口減少や定年制、格差問題を危惧しており、未来を予測する上で確実な指標は人口動態(年齢構成)であると述べています。

すでに日本は少子化対策では西欧諸国に遅れをとっており、とりわけ「若年人口の減少は国内市場を根本的に変え、外国人労働者と移民の受け入れが国論を二分する問題になるであろう」とも述べ、現在ヨーロッパでは移民に反対する極右政党が第1党となる国が見られるように、日本でも議論が起きています。この人口動態の変化はすでに産業構造や規制を変えつつあり、エネルギーや食糧が重要な問題となり、加えて地球環境の変化が追い打ちをかけています。

私たちは、4月に改訂される診療報酬と介護報酬への適切な対応をしつつも、自らがこの共和会で「すでに起こっている未来」を探し、新たなトレンドを見い出し、果敢に行動して行かなければならないと思っています。

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