病院広報誌 WA! 第91号 2022.08.04 | 広報誌WA!

コミュニケーションについての再考

共和病院 看護部 次長 濱田 久美子

4月から看護部次長職を拝命しました濱田久美子です。今後より一層の責任感をもち、役割を果たすための努力を重ねて参ります。何卒よろしくお願いいたします。コロナウイルスとの共生生活が3年目を迎えました。コロナ禍以降の日々はとても不安定で、人との距離におびえ、様々な対応での情緒的な消耗が続き、孤立感を感じることが多くあります。

マスクの着用やリモート会議などによる物理的な距離感やコミュニケーションの取りづらさは、そのことを助長しているように思います。最近、行動制限が徐々に緩和される中で、屋外でのマスク着用緩和の動きが広まってきました。私としてはコミュニケーションの不全感が幾分和らぐと前向きに受け止めていたのですが、わが家の中高生とそのことを話すと、不思議と彼らは「別にマスクはしたままで良い」と言います。

マスク姿しか知らない同級生が当たり前に存在し、大切なことをSNSで伝えあう彼らは、マスクをした状態でのコミュニケーションに特段不自由を感じないようで、本当にそれで良いのかと心配になってしまいます。日頃のコミュニケーションの中で私たちは、言葉のやりとりだけでなく、視線を交わしたり、表情を通して意思表示をしたり、態度でかくれた意図を表したり、言葉と言葉の間に隠れたニュアンスなども感じ取りながら信頼関係を構築していきます。

「文脈を読めるロボットの開発は今世紀中には無理」という話を聞いたことがありますが、文脈やニュアンスなども含む非言語コミュニケーションを活用できることは人間らしさであり、そんな人間らしいあたたかみを表現するのに、マスクは壁の一つになっているように感じます。

人と人との間における察する文化は相手を思いやることによるものであり、「わかってもらえた」と感じる体験がつながりを強めていくのだと思います。あたたかみのあるコミュニケーションの不足により、つながりが弱体化することのないようにしなければなりません。私たち医療者には、患者様やご家族の医療に対する複雑な気持ちを正確に汲み取り、患者様の意思に沿ったケアへとつなげていく役割があります。

コミュニケーションがとりづらい状況にあっても、例えばマスクでは隠れない目線でより表情を見せたり、声のトーンを一段明るくするなどの工夫を続け、患者様やご家族へ安心感やあたたかみを込めたメッセージを伝えていきたいと思います。

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